税金の行方を追う
福岡県のワンヘルス事業は4,378億円?
福岡県が2026年10月29日、 ワンヘルスに関係する県事業を対象にした 全事業調査の結果を公表しました。
調査対象となった事業費は、 2022年度から2026年度までの5年間で 4,378億円。
かなり大きな金額ですが、 この数字をそのまま 「福岡県がワンヘルスのために4,378億円を新たに使った」 と理解するのは正確ではありません。
4,378億円と59億円、何が違う?
では、この4,378億円は何を意味するのでしょうか。 福岡県の公表資料から確認します。
THE NUMBERS
248事項を調査
2022年度から2026年度までの ワンヘルスに関連すると整理された 県事業全体の事業費です。
64事項
2022年度以降に新たに開始され、 法令に基づく義務的な事業ではないものとして 整理された事業の合計です。
IMPORTANT POINT
「4,378億円をワンヘルスに使った」ではない
4,378億円=新しいワンヘルス予算ではありません。以前から実施している公共事業なども、 ワンヘルスとの関連があるものとして 調査対象に含まれています。
今回の調査結果を見るうえで、 最も重要なのがこの点です。
例えば道路改築事業でも、 工事の際に自然環境や生態系への配慮を行っている場合、 ワンヘルスとの関連事業として整理されています。
つまり4,378億円という数字は、 「ワンヘルスという名前で新たに4,378億円の予算を組んだ」 という意味ではありません。
また、2026年度分も含むため、 4,378億円すべてがすでに支出済みという意味でもありません。
WHAT IS INCLUDED?
なぜこんなに大きな金額になる?
ワンヘルスは、 「人の健康」「動物の健康」「環境の健全性」を 一体的に考える考え方です。
そのため、福岡県の整理では、 医療・感染症対策だけでなく、 農林水産、環境、教育、公共工事など 幅広い分野の事業が対象になっています。
道路・インフラ
生態系や自然環境への配慮が含まれる公共事業なども 関連事業として整理されています。
家畜・動物衛生
家畜の感染症対策や 動物の衛生管理なども対象です。
感染症・健康
人の感染症対策や 健康に関係する事業も含まれます。
森林・水・生態系
森林整備、 環境保全、 生物多様性などの事業も対象です。
FOCUS ON 59 BILLION
むしろ注目したいのは「約59億円」
税金ウオッチ福岡県では、 4,378億円という巨大な数字そのものより、 約59億円の中身を重点的に確認したいと考えます。
法令によって実施が義務付けられている事業であれば、 県の裁量だけで簡単に廃止することはできません。
一方で、 県独自の判断で新たに始めた事業であれば、 「なぜ始めたのか」 「成果は出ているのか」 「今後も続ける必要があるのか」 を検証する余地があります。
税金ウオッチが重点的に見たい部分① 64事項それぞれの事業名
② 各事業の予算・実支出額
③ 委託先・契約先
④ 事業開始の理由
⑤ 数値で測れる成果
⑥ 今後の継続・縮小・廃止判断
CAREFUL READING
59億円も「無駄遣い」と決まったわけではない
約59億円についても、 現時点で福岡県が 「無駄だった」 「不適切だった」 と判断したわけではありません。
今回は、 県が自ら関連事業を洗い出し、 その中から今後詳しく検証する対象を整理した段階です。
「調査対象」=「問題事業」ではありません。今後の検証結果を待って、 事業の必要性や成果を判断する必要があります。
NEXT REVIEW
県はこれから何を検証する?
福岡県は、 社会的な関心が高い事業や、 実施を見合わせた事業などを 優先して検証する方針を示しています。
事業費
実際にいくらの予算が組まれ、 いくら支出されたのか。
進捗状況
当初計画どおりに 事業が進んでいるのか。
類似事業との比較
既存事業と重複していないか、 同じ目的の事業が複数存在していないか。
今後の必要性
事業を継続するのか、 見直すのか、 廃止するのか。
NEXT DATE
次の注目日は11月25日
福岡県は、 次回の行政改革審議会を 2026年11月25日に予定しています。
64事項のうち、 具体的にどの事業を優先検証するのか。 事業費・成果・契約先などが どこまで公開されるかを確認します。
TAX WATCH VIEW
税金ウオッチの見方
4,378億円という数字だけを見ると、 「ワンヘルスに巨額の税金を使った」 という印象を受けるかもしれません。
しかし実際には、 従来から実施していた道路や農林水産などの事業も ワンヘルス関連として整理されています。
そのため、 4,378億円という総額だけで 支出の妥当性を判断することはできません。
むしろ重要なのは、 2022年度以降に新たに始まった 64事項・約59億円について、 何に使い、どんな成果があったのか を一つずつ確認することです。
税金ウオッチ福岡県では、 今後公表される検証結果をもとに、 事業単位で税金の流れを追います。
CURRENT STATUS
対象事業4,378億円。重点確認は64事項・約59億円
福岡県は2026年10月29日、 2022~2026年度のワンヘルス関連事業について 全事業調査結果を公表しました。
対象は248事項、 事業費は合計4,378億円です。
ただし、 これはワンヘルスのために 新たに4,378億円を支出したという意味ではありません。
県はこのうち、 2022年度以降に開始され、 法令に基づく事業ではない64事項、 約59億円についても整理しています。
今後は行政改革審議会などで 事業費、進捗、類似事業との比較などを検証します。
64事項の具体的な事業名、 予算・支出額、 委託先、 成果、 継続・見直し判断が公表された場合は、 順次追記します。