税金の行方を追う
福岡県の森林環境税、20年でいくら集めた?
福岡県民が毎年負担している「森林環境税」。
個人は年間500円、法人にも上乗せ課税されています。
2008年度に始まったこの税は、2027年度に制度開始20年を迎えます。
では、これまでにいくら集め、
何に使われ、
福岡県の森林は実際にどれだけ改善したのでしょうか。
福岡県の公表資料をもとに確認します。
THE TAX
森林環境税はいくら払っている?
福岡県の森林環境税は、
国が徴収する森林環境税とは別に、
福岡県が独自に課している税金です。
個人
年間500円
個人県民税の均等割に、
年間500円を上乗せして負担します。
法人
均等割額の5%
法人は、
法人県民税均等割額の5%相当額を
追加で負担します。
国の森林環境税とは別です。
福岡県独自の森林環境税は2008年度に導入されました。
国の森林環境税とは制度も使い道も異なります。
MONEY FLOW
2008~2021年度で、約193億円
福岡県の公表資料から、
2008年度から2021年度までの税収を確認すると、
合計は192億9,700万円になります。
133億1,000万円
+
59億8,700万円
=
192億9,700万円
第1期
133億1,000万円
2008~2017年度
最初の10年間で集めた
森林環境税の税収です。
第2期の一部
59億8,700万円
2018~2021年度
4年間の税収です。
年平均では約15億円規模になります。
2022年度以降を加えると、累計はさらに増えます。
今回の記事では、
年度別の正式な数字を確認できた範囲を
確定値として掲載します。
2022年度以降についても今後追記します。
FIRST 10 YEARS
最初の10年間、何に使った?
2008~2017年度の第1期では、
税収133億1,000万円に対し、
基金への積立と森林整備事業が行われました。
基金積立
約132億2,300万円
森林環境税を基金へ
集めた税金を森林環境税基金へ積み立て、
森林整備などの事業財源としました。
事業支出
約128億7,600万円
森林整備などに支出
第1期10年間で
実際に事業へ使った金額です。
基金残高
約3億5,000万円
2017年度末
第1期終了時点で
基金に残っていた金額です。
RESULT
約2万7,000haの荒廃森林を再生
税金を使った成果として、
福岡県は森林整備面積や
県民参加人数を公表しています。
約27,000ha
+
延べ12万4,000人
→
10年間の成果
27,000haは270平方キロメートル。
単に「森林を整備した」ではなく、
かなり広い面積に森林環境税が投入されたことが分かります。
SECOND PHASE
第2期も、年間約15億円規模
2018年度以降も森林環境税は継続しました。
2018~2021年度の4年間だけで、
税収は約59億8,700万円です。
税収
約59億8,700万円
2018~2021年度の
4年間の税収です。
基金積立
約60億円
同期間に森林環境税基金へ
積み立てた金額です。
事業費
約56億円
基金を取り崩し、
森林整備などに使った金額です。
基金残高
約7億2,000万円
2021年度末時点の
基金残高です。
使い道の中心は森林整備です。
第2期では事業費の約9割が、
荒廃森林の整備などに使われています。
LATEST MONEY
2024年度は15億6,311万円を事業に使用
最近の年度についても、
福岡県は森林環境税基金の動きを公表しています。
基金積立
15億7,016万2千円
2024年度
森林環境税などから
基金へ積み立てた金額です。
事業費
15億6,311万4千円
基金を取り崩して使用
森林整備や
県民参加の森林づくりなどに使われました。
荒廃森林整備
13億3,194万3千円
支出の大部分
2024年度の森林環境税事業の中でも、
最も大きな支出です。
基金残高
7億4,670万5千円
2024年度末
翌年度以降の事業に使うため、
基金に残っている金額です。
FOREST RESULT
第2期は約1万haを整備
2018年度以降も、
荒廃森林を中心に整備が続いています。
整備面積
9,706ha
2018~2024年度の
森林整備実績です。
強度間伐
9,131ha
特に荒廃した森林などで、
強度間伐を実施した面積です。
2025年度まで
9,994ha
強度間伐の累計。
目標としていた約1万haに
ほぼ到達しています。
20 YEAR REVIEW
20年続けて、この税金は必要だった?
森林環境税は2027年度に制度開始20年を迎えます。
福岡県は、21年目以降の制度について検討を始めています。
制度開始
→
20年の節目
→
継続?変更?終了?
税金ウオッチが確認したい6つのこと
① 2008~2025年度の税収総額はいくらか
② そのうち実際に使った金額はいくらか
③ 森林整備によって何が改善したのか
④ まだ整備が必要な森林はどれくらい残っているのか
⑤ 基金にいくら残っているのか
⑥ 20年間の成果を踏まえ、それでも年間500円を続ける必要があるのか
TAX WATCH VIEW
税金ウオッチの見方
森林環境税は、
単純に「税金を取られているから悪い」
「森林整備に使っているから良い」
という話ではありません。
大切なのは、
集めた税金に見合う成果があったのか
を確認することです。
第1期では約2万7,000ha、
第2期でも約1万haの森林整備が進んでいます。
一方で、
約20年間にわたり毎年県民や企業が負担してきた制度でもあります。
2027年度以降も制度を続けるのであれば、
「まだ何を整備する必要があるのか」
「今後いくら必要なのか」
「現在と同じ年間500円が妥当なのか」
を県が具体的に説明する必要があります。
CURRENT STATUS
2008~2021年度だけで192億9,700万円
福岡県独自の森林環境税は、
2008年度から続いています。
福岡県の公表資料で確認できる
2008~2021年度の税収だけでも、
合計192億9,700万円です。
第1期では約2万7,000ha、
第2期でも約1万haの森林整備が行われています。
2027年度に制度開始20年を迎えるため、
福岡県は現在、
21年目以降の制度を検討しています。
この記事は今後も更新します。
2022~2025年度の年度別税収を確認し、
2008年度からの正確な累計税収を算出します。
また、制度見直しの資料が公開された場合は、
税収・支出・森林整備成果を追加します。
調査:税金ウオッチ福岡県
最終更新:2026年10月29日
出典:福岡県公表資料